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ところで風景変わったな

10月27日
読了時間: 4分

9月の頭だったと思うのだが、その日チビと二人でちいかわの映画を見てしまって以降自分の中でかなり大きな変化があった。あってしまった。ちいかわで。

若いころのように、どこかで自分に期待して、いつか何かをなす。そんな野望というか、夢というか、そのようなものの残滓。中年に追い付いていない心中に残る焦燥。そいつらをすっぱり諦める踏ん切りがついてしまった。そう、ちいかわで。

それ以降、2か月ほど経つが、具体的にはまず、痩せた。

脳が中年の体に追い付いていないんだよね などと、ほざいて、甘いのやらしょっぱいのやら、脂っぽいのやら好きに食べて生きてきて、いつも眠けの残る脳とわがまま胃袋と一緒に生活してきたが、割とすんなり節制が利くようになった。

端的に、動きやすくなって家事も仕事も動きが良くなり、掃除洗濯片付けもしたくなって、ケッと思っていたハズの生活、そう、丁寧なやつをまさに積極的にやろうとしている。

生活をシンプルに保つ努力をし始めている。

子供、家庭、仕事、それぞれ丁寧に向き合う

こう書くのは容易いが、よほどしっかり余白を意識して心に余裕を保てないと臨機応変変幻自在に最善の対処をサーフィンするのは自分にはまず無理で難しく、カーっとなったり保身的な対応になったり、ユーモアも欠如してかっこ悪く情けない。マジでバンディットリスペクトですわ。ブルーイね。ブルーイのお父さんね。バンディット。

生活態度で結構かわるもんだなと、やだなぁ、小学校の先生みたいなこと言ってるわ俺。

ただ、それでしょうがないと思うようになった。いい年こいた中年、もう四捨五入すると50だから。もう、丁寧にしていくしかなくないか?すこし寂しいとは思う。自分にサヨウナラって感じが、少しある。

 たまたまではあったのだが、ここ半年ほど、上坂あゆみさんという歌人と、坊主の鵜飼ヨシキさんのポッドキャストを聴いていたのだった。そのポッドキャストのタイトルが「私より先に丁寧に暮らすな」

偶然にも自分の状況にとってタイムリーなトピックになった。

ごめんあゆみちゃん鵜飼さん

俺もずっと、ケッて思ってたよ。丁寧な生活、無理だし。こどもも仕事も家庭もいっぱいいっぱいだし。どこもかしこも荒れ放題だし、夜中にペヤング食べちゃう癒しの波動が次の日の絶望に薄い皮膜のようなボカシのような、救いの麻痺をもたらすものだし。

でも、俺もう47目前だったわ。あなたたちより結構年齢、行ってたわ。丁寧にやっていくことにするわ。それは自分にとっては、諦めに近い哀しみであって、けして素晴らしいことなどではないと、申し添えておきたい。が、そこで整えていくことで生活リズムが安定してきた感のあるここ2か月ほどは、かなりクリアーにものごとを見れている気がしている。半年くらい放置してしまっていたチビの自転車練習も出来た。風呂掃除ルーティンと洗濯浴槽クリーニングの方式も一新した。トイレマジックリンも自分のやりやすい奴を購入した。農具収納場所の片付けと用意も出来た。掃除の隙間に一句読めた。


手裏剣の金と銀とに置き場なく栞に逃がす朝ルベージ


寂しい夜にペヤングを食べる享楽と、

その享楽に堪えることのできなくなった胃腸に欲望が従属できるようになることを比べて後者を成長とは決して思わないし、成熟やら忍耐であるなどとも思わない。

ただ、風景は変わったと、感じる。



半分だけでも身体は丈夫

変化対応していく中

回る頭の回転静かに消える喜怒哀楽

静寂どちらも馬鹿まだ揺らぐ走り出した

車の中気持ちは二つの間

ところで風景かわったな


group_inou 「HALF」より


この曲は、自分に強烈に刺さった過去がある。

一方の真実に覆い隠されていた長い年月から、失われてしまったもう片方の真実の、その一旦をうかがい知った時に、決定的に風景は変わってしまったから。

おれたちは皆、HALFだ。


ちいかわの話は、あまりしない。

なんの前知識も入れずにのほほんと観に行って、最後怒りがわいてしまった事実があり、それが完全にブーメランで自分に返ってくるやつで嘘だろと愕然と恥じ入り、のほほんと怒っていい年齢じゃない。お前が無責任の責を負う立場に、既に、あるという事に、ただただ、チビの横で慄いた。


おれたちが負うべき責

もしくは、おれたちが払うべき呪縛

氷河期世代はただただ、終わらせるために存在しているのか。

ただただ、糞を終わらせるためにすり減るのか。

感傷がまだ出てきてしまう。

それを、諦めようとしている。

この感傷の表出を、これ以上、もう、辞めようとしている。

ここにいると、風景は変わらない。


昔の記憶、とっておく



2026/10/27深夜





 
 
 

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