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9月の頭だったと思うのだが、その日チビと二人でちいかわの映画を見てしまって以降自分の中でかなり大きな変化があった。あってしまった。ちいかわで。

若いころのように、どこかで自分に期待して、いつか何かをなす。そんな野望というか、夢というか、そのようなものの残滓。中年に追い付いていない心中に残る焦燥。そいつらをすっぱり諦める踏ん切りがついてしまった。そう、ちいかわで。

それ以降、2か月ほど経つが、具体的にはまず、痩せた。

脳が中年の体に追い付いていないんだよね などと、ほざいて、甘いのやらしょっぱいのやら、脂っぽいのやら好きに食べて生きてきて、いつも眠けの残る脳とわがまま胃袋と一緒に生活してきたが、割とすんなり節制が利くようになった。

端的に、動きやすくなって家事も仕事も動きが良くなり、掃除洗濯片付けもしたくなって、ケッと思っていたハズの生活、そう、丁寧なやつをまさに積極的にやろうとしている。

生活をシンプルに保つ努力をし始めている。

子供、家庭、仕事、それぞれ丁寧に向き合う

こう書くのは容易いが、よほどしっかり余白を意識して心に余裕を保てないと臨機応変変幻自在に最善の対処をサーフィンするのは自分にはまず無理で難しく、カーっとなったり保身的な対応になったり、ユーモアも欠如してかっこ悪く情けない。マジでバンディットリスペクトですわ。ブルーイね。ブルーイのお父さんね。バンディット。

生活態度で結構かわるもんだなと、やだなぁ、小学校の先生みたいなこと言ってるわ俺。

ただ、それでしょうがないと思うようになった。いい年こいた中年、もう四捨五入すると50だから。もう、丁寧にしていくしかなくないか?すこし寂しいとは思う。自分にサヨウナラって感じが、少しある。

 たまたまではあったのだが、ここ半年ほど、上坂あゆみさんという歌人と、坊主の鵜飼ヨシキさんのポッドキャストを聴いていたのだった。そのポッドキャストのタイトルが「私より先に丁寧に暮らすな」

偶然にも自分の状況にとってタイムリーなトピックになった。

ごめんあゆみちゃん鵜飼さん

俺もずっと、ケッて思ってたよ。丁寧な生活、無理だし。こどもも仕事も家庭もいっぱいいっぱいだし。どこもかしこも荒れ放題だし、夜中にペヤング食べちゃう癒しの波動が次の日の絶望に薄い皮膜のようなボカシのような、救いの麻痺をもたらすものだし。

でも、俺もう47目前だったわ。あなたたちより結構年齢、行ってたわ。丁寧にやっていくことにするわ。それは自分にとっては、諦めに近い哀しみであって、けして素晴らしいことなどではないと、申し添えておきたい。が、そこで整えていくことで生活リズムが安定してきた感のあるここ2か月ほどは、かなりクリアーにものごとを見れている気がしている。半年くらい放置してしまっていたチビの自転車練習も出来た。風呂掃除ルーティンと洗濯浴槽クリーニングの方式も一新した。トイレマジックリンも自分のやりやすい奴を購入した。農具収納場所の片付けと用意も出来た。掃除の隙間に一句読めた。


手裏剣の金と銀とに置き場なく栞に逃がす朝ルベージ


寂しい夜にペヤングを食べる享楽と、

その享楽に堪えることのできなくなった胃腸に欲望が従属できるようになることを比べて後者を成長とは決して思わないし、成熟やら忍耐であるなどとも思わない。

ただ、風景は変わったと、感じる。



半分だけでも身体は丈夫

変化対応していく中

回る頭の回転静かに消える喜怒哀楽

静寂どちらも馬鹿まだ揺らぐ走り出した

車の中気持ちは二つの間

ところで風景かわったな


group_inou 「HALF」より


この曲は、自分に強烈に刺さった過去がある。

一方の真実に覆い隠されていた長い年月から、失われてしまったもう片方の真実の、その一旦をうかがい知った時に、決定的に風景は変わってしまったから。

おれたちは皆、HALFだ。


ちいかわの話は、あまりしない。

なんの前知識も入れずにのほほんと観に行って、最後怒りがわいてしまった事実があり、それが完全にブーメランで自分に返ってくるやつで嘘だろと愕然と恥じ入り、のほほんと怒っていい年齢じゃない。お前が無責任の責を負う立場に、既に、あるという事に、ただただ、チビの横で慄いた。


おれたちが負うべき責

もしくは、おれたちが払うべき呪縛

氷河期世代はただただ、終わらせるために存在しているのか。

ただただ、糞を終わらせるためにすり減るのか。

感傷がまだ出てきてしまう。

それを、諦めようとしている。

この感傷の表出を、これ以上、もう、辞めようとしている。

ここにいると、風景は変わらない。


昔の記憶、とっておく



2026/10/27深夜





 昼間はもはや作業にならない酷暑を避けるため、早朝から家を出てしまう。さすがに朝いちばん起きてからの時間はかなり貴重になってしまい、担当している洗濯物干しの家事をする暇がない。そこでその時間を昼間に取らせてもらうことを妻に納得してもらっている。特に今日は出荷だったのでいつにもまして慌ただしく、一通り最低限の作業と段取りを済ませた11時ころに家に戻って、遅い朝食と昼食を兼ねた農家飯を食らいモグモグしつつ、洗濯を干しつつ、チビどもの朝食の食器を洗いつつ、足りないものの収穫に戻るとゴロゴロと雨。それも夏特有の夕立豪雨通り雨である。家はすぐそこだが、人参にとっては待望の雨である。

戻るべきか戻らざるべきか、それはワタシの望むこと一点に係わり、何かを捧げる、あるいは犠牲にする、などものして何かを得るものだ。などと、人生に降りかかる幸運の頻度のバランスを取ろうとする凡庸なる者の発想の発露。軽トラは結露エアコンは全開。風向き窓方面に変更。進路出荷場へ直行。


まだ濡れてるじゃん!

ああ、今日ね夕立があって。ごめんね。外に干しちゃった。そっち降らなかった?

降らなかったんだよね。

おかげさまで良く降ってくれました。

ありがとう今日の一日よ。


2026/07/27深夜早朝




と言えば、くるりだった。

そんな連想に自然とつながるような時代に

日々を共に過ごした友達と会った帰りの新幹線で、今文章を書き始めている。

残そうと向かうのは久しぶりだ。


何でもないことを残そうとする

抗う

何に抗うのか


日々を意味のあるものにしようと思ってしまう強迫観念に抗う

寝て起きたら忘れてしまうだろう心象風景のpin留め


信太朗の苗字が思い出せなかったこと

小山菜の花ちゃんの名前が出てこなかったこと


結局1本乗り遅れたせいで会えなかった人。1本乗り遅れた余裕のおかげで、浅間口の駐車場の方がおおむね安いと分かったこと。ハンバーガーの自動販売機。感応式のトイレで暗闇にしがちな銅像化。センサーに訴える踊り子。


おれたちにとっての東京は京都だったけれど、今日は東京なんだよ

パールハーバー幅聞かせてたんのどう処理されてんのかようわからん

未来で辻褄合わせようとしてるんじゃないかって勝手押し通す強さで殴り倒していくんだな


極私的な東京

お休み今日という日よ


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