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祝日の今日、午前中で一旦仕事を切り上げて小諸の体育館へ行き、娘の卓球の試合に合流した。

数試合一緒に観覧したのだが、もうどうにも飽きてしまって落ち着きのないちびに妻が苛立っているし、彼を引き取って事務所へもどることに。少し畑仕事をしようかどうか迷ったが、16:00超えてしまっていて、ここから軽トラでちびを連れ回してもどうせ動画に頼るだけになる。ただでさえ、試合中youtube漬けマイクラフィルターバブル泡だらけの彼にそれは憚られる。どうしたものか、はたと種にんにくを外す作業があることに気がついて、彼にやらせてみると、黙々とにんにくを解体している。解体ガーリック。バブル崩壊成功か?

そのスキに収穫包丁とカマを研ぐ事にした。


包丁を研ぐ。ような時間をいままで取れてこなかったなと思う。忙しなく畑にでてやるべき粗がたくさん見えてしまい、なんとかせにゃとただ気が急く。うちに子どものお迎えの時間になり慌ただしく畑を後にして終わる毎日。

今年のひどい畑のせいで、やりようもなく諦めが勝ち空白のような時間が出現して研ぐ包丁はそれでも美しく光ってくれた。


昨年、娘のスキー板のエッジを削ったりワクシングしたり、板メンテナンスデビューをした。娘の板で失敗したくないから、自分の板でも作業していたので、気づいたのだが、アイスバーンでの滑走で明らかに信頼性が増して安心して攻めることができるし、結果、変に癖のついた体の使い方にならずに上達すると感じた。板のメンテナンスなどしたことがなかった。だから自分は変な曲がついてしまったのかもしれない。し、今、矯正するのが苦労でいる。まあ、それが体との対話というか、生まれ直しのような作業で興味深くはあるのだけれど。そんな紆余曲折を彼女がする必要はない。子どもの板はいい状態にしておいてやりたい。

毎週末のクラブ練習が近づくたびに、ある程度のメンテナンスをしつつ過ごす日々のリズムが心地よかった。

洗面器に水を張ってオイルストーンとダイヤモンドシャープナーを沈めておき、板を固定用バイスにセットする。ブレーキアームを輪ゴムで固定して、ワックスと汚れをスクレーパーで削り取る。ブロンズブラシで更に汚れをかき出してから、ボーダーカッターでサイドウォールを削る。ガイドにセットしたファイルでエッジを砥ぐ。沈めておいたダイヤモンドストーンで荒くエッジを研いでから、オイルストーンで仕上げの研ぎにはいる。音楽をかけながら無心になれる。エッジを仕上げた後にホットワックスをかけて一晩置いて染み込ませておく。水曜日頃エッジ関係を終わらせておいて、木曜日か金曜日にワックス落としとブラシングをして滑走面を仕上げて練習に備えるルーティン。

オイルストーンでエッジを研ぎながら、そうか。これは刃物だと思ったのだった。農作業道具もメンテナンスしておかなければ。


案の定にんにく外しに飽きたちびが、動画をせびり媚びるかわいいなと思う。

バブル再開世界は動き出したが、夢中の隙に刃は光り、俺は整った。


2025/09/23


2025年

このくっそ暑い、まだ暑いにも関わらずTシャツの下に下着シャツを着るようになってしまった45の夏。自慢話と説教にだけは気をつけつつ、若干昔話はブログなんで許してほしいと思いつつ、それもなしにすると、衰えの話になってしまう事実が冒頭の表題。

そう。お腹が冷える。

お腹出して寝るなって散々言われたなぁ。

わざわざ腹巻き買ってこられたことあったなぁ。

そんな暑苦しいもん付けていられるか!と10代20代30代。40代前半までは。

汗っかきだったし。代謝いいほうだと思っていたし。

しかしついに理解できてしまった。

スタート地点に来てしまった。そんな気がした夜更けである。

秋夜長である。

夜温に切れのある風を感じることができるようになった。

しかし昼間暑い日だったので案の定、ちびが腹を出して寝ていやがる。

がっちりシャツinさせて、布団をかけてやった。

・・・腹巻き買ってやらんとな。

そういうことか。



眠気にまかせてしまう寸前に思いとどまってシャワーを浴びながら、今日なにができたんだろうと有意義を探そうとしてしまった。

ちびが昨日から体調を崩していて、朝から臼田の佐久総合病院に連れて行き、確かに一番にかかろうとしたわけではないにせよ、そんなに遅く並んだわけではないのだが、やはり薬局まで含めると昼近くまでかかり、正午過ぎから妻にバトンタッチをして畑に戻るが雨である。ありがたい雨であるが何か?と仰るお天道様である。

 あまりに酷い畑のこともあって、今日は朝からあまり携帯電話に触れる気がせず、朝もわりとダラダラ寝てちびと戯れてから病院に行き、すこしボーッとするような待合。

あ虹だ!あピカチュウ!ねえねえ靴脱いでいい?ユーチューブユーチューブと忙しない。ズボン逆に履いてるし。そういえば家出る直前のトイレで一回脱いでいた。

すこしゼーゼーするから肺のレントゲンを撮った方が良いという。診察室から出て、前の方の待合席に移動すると、あトラック!赤いトラック!とちびが言った。

その席は、ちょうど眼下に真っ直ぐ伸びた路地を、つきあたりの通りまで見通す直線に頂点する特頂席とでも名付けうる幾何学だった。

見通した先のもう一つの頂点に、すこし変わったタイプに見える赤いトラックが停まっている。が、ちょうど赤信号で停車していたのだろう、あトラックだねと答えた次の瞬間に走り去っていった。

あの赤いトラックは、あトラックだねと、シャワーを浴びながら脳裏に浮かぶトラックだった。眠気に任せていたら忘れてしまったかもしれない。思い出せて本当によかった。

ちびは、あキャリアカー。あポンプ車。あ消防車と、同乗者に話さずにはおれない車好きだ。姉にうるさい!とどつかれる未来のマンスプレイナー。

でも、なにに出会っているのか、もしかしたら、この赤いトラックなのかと、すこしその特別な幾何学の補助線のお陰で、触れることができたかもしれない。し、すぐに去ってしまった一瞬をかれと一緒に見ることができた。

今日は良い日だった。


2025/09/12深夜

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